殺された側の論理 -犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」 作者: 藤井誠二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/02/27メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 52回この商品を含むブログ (27件) を見る 藤井誠二が犯罪被害者に密着し過ぎていることは既に明らかだが、この本の第1章での本村洋への同一化の程度は甚だしい。私は別にそれを批判しようとは思わないけれども(藤井は研究者ではない)、ノンフィクションライターとしても結構ギリギリの線を歩いているような気がする。 タイトルが示す通り、本書は「殺された側」に固有の論理があるという前提で編まれている。だが、ざっと読んだ限りでは、その論理を彫り出して見せようとする藤井自身がどういう立場性で以て、どのような「論理」あるいは「倫理」で以て「殺された側」の論理に寄り添っているのかが、ほとんど語られていないように思う。そういう観点からすると