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社会と書評に関するkutakutatriangleのブックマーク (6)

  • 『国道16号線 「日本」を創った道』 - HONZ

    私が住む東京都町田市の小田急町田駅の東口の広場には「絹の道」という石碑がある。それをゼミ生に見せてからJR横浜線の下り線に乗り、八王子に向かう。その車中で、なぜ八王子と町田を結ぶこの街道が絹の道と呼ばれるか、学生たちに説明する。 このあたりの多摩丘陵の地形地質が桑畑に向いていて、それが地域の養蚕業を盛んにしたこと。そうして絹製品の産業基盤がこのあたりにあったところに、幕末期に盛んになった生糸輸出で、山梨や長野、群馬の生糸がいったん八王子に集まり、そこから輸出港横浜まで運搬されるルートができたこと。その流通加工拠点であった八王子には富が蓄積されたし、横浜までは生糸を馬の背に乗せて運ぶにも一日では歩ききれないので、行商人たちがその中間地点の町田で一泊してお金を落としたこと。横浜で生糸を売り捌いて懐が暖まった行商人たちが、おそらく帰路についた一泊目の町田で羽根を伸ばしたので町田には町の規模の割り

    『国道16号線 「日本」を創った道』 - HONZ
  • 『性表現規制の文化史』えっちがいけないことなのは何故か - HONZ

    書、表紙が素敵なのだ。 裸の成人女性からうまい具合に乳首を隠したイラスト、線画の描写ゆえ生々しさはなく90年代に流行ったオシャレ系マンガの表紙のようである。 とは言えハダカはハダカ、サラリーマンばかりの通勤電車で読むのは平気だった私もさすがに目の前に小学生男子が立っている中では書の続きを読むのをためらった。 こんな風に感じるのは何も私だけではないだろう。そもそもたとえ乳首が隠されていたとしても裸の成人女性が描かれた表紙を人前で出すこと自体やりたくないという人も多いはずだ。(うん、屋さんでカバーかけて貰えるのってとっても大事かも)。 この「通勤電車ならいいや」と「でも小学生男子には刺激が…」の線引きをしている私の気持ちは一体どこから生じているのだろうか。 えっちなのは、いけません! 我々(少なくとも私は)はそう刷り込まれている。だから、公共の場でえっちなイラストの表紙のを出すのがため

    『性表現規制の文化史』えっちがいけないことなのは何故か - HONZ
  • 『血盟団事件』 - 交わるはずのなかった二つの格差 - HONZ

    アルバイト店員が内輪向けのネタ画像をアップして炎上するなどの騒ぎが相次いでいる。この問題における一つの論点となっているのが、学歴の格差というものだ。「低学歴の世界」というセンセーショナルなフレーズとともに、多くの言葉が交わされているが、一昔前によく見かけた、都市と地方の格差という議論にもよく似た印象を受ける。 格差、就職難、ワーキングプア、社会からの孤立。これらの問題のルーツとなるようなものを辿っていくと、昭和初期に起きた一つの奇妙な事件に行き当たる。それが書で取り上げられている「血盟団事件」というものだ。 この事件は、日蓮主義者・井上日召に感化された若者たちが引き起こした連続テロ事件のことを指す。殺されたのは、元・大蔵大臣の井上準之助と三井財閥総帥の団琢磨。暗殺した小沼正、菱沼五郎の両者は、共に茨城県大洗周辺出身の幼馴染みの青年集団であり、日蓮宗の信仰を共にする仲間でもあった。 ※法廷

    『血盟団事件』 - 交わるはずのなかった二つの格差 - HONZ
  • 圧巻の「障害児の親」研究が出た - 泣きやむまで 泣くといい

    自分は「実証研究」と呼ばれるものがあまり好きではない。対人援助分野に関して言えば、多くが「およそ現場でわかっている」ことを再確認するか、現場の感覚であれば当然のごとく「変数」としてリサーチデザインに組み込まれるべきものが抜け落ちているのを見てがっかりするかのいずれかに終わることが多いからである。 しかし、このは違った。ものすごいである。 障害のある乳幼児と母親たち―その変容プロセス 作者: 一瀬早百合出版社/メーカー: 生活書院発売日: 2012/06メディア: 単行購入: 56人 クリック: 3,846回この商品を含むブログ (7件) を見る 単純に言ってしまえば、既存の障害受容研究の「大ざっぱさ」をばんばん指摘して、ツッコミを入れ難いぐらいに研究対象の絞り込みと重層的な調査分析をして、障害児の母親の変容プロセスを追ったものである。障害児の親に関する実証研究で、これだけ方法論的に洗

    圧巻の「障害児の親」研究が出た - 泣きやむまで 泣くといい
  • 『もうダマされないための「科学」講義』にダマされるな - 僕と懐疑の関係

    著者の一人である片瀬さんから献頂きました*1。ありがとうございます。目次は以下。 『もうダマされないための「科学」講義』 1章 科学と科学ではないもの 菊池誠 2章 科学の拡大と科学哲学の使い道 伊勢田哲治 3章 報道はどのように科学をゆがめるのか 松永和紀 4章 3・11以降の科学技術コミュニケーションの課題  平川秀幸 付録 放射性物質をめぐるあやしい情報と不安に付け込む人たち 片瀬久美子 出版社の紹介にダマされるな この、出版社の宣伝を読む限りは、「科学とは何か」を今まであまり意識してこなかった人、「科学」をあまり知らない人(以下「一般人」と表記します)向けのなのですが、そこにダマされそうになりました。そういった方が読むと、話題についていけないか、曲解しそうな感じの部分が多いでしょう。 そんな優しいではないのです。ハードボイルドです。取扱注意です。むしろ伊勢田さんの2章ででて

    kutakutatriangle
    kutakutatriangle 2011/10/04
    専門家ではないが読みたくなった。
  • 【書評】"The Dragonfly Effect"

    年末年始のお休み中、久しぶりに腰を据えてを読むことができました。何冊か「これは!」と思うものがあったのですが、こちらもその中の1冊です: "The Dragonfly Effect"という、ちょっと変わったタイトルの。実はAMN近況報告ブログで以前紹介されていて(参照:「The Dragonfly Effect」は"一読の価値あり"です)、ずっと読まなくちゃと考えていたものです。結論から言うと、ちょっと実践面に偏りつつも(逆に実用的と評価することもできるでしょうが)、期待通りの内容でした。 "Dragonfly Effect"を直訳すると、『トンボ効果』という訳の分からない言葉になってしまうのですが(何を示唆しているのかは後述します)、テーマは副題で簡潔に示されています: Quick, Effective, and Powerful Ways to Use Social Media t

    kutakutatriangle
    kutakutatriangle 2011/01/14
    これはまた本が読みたくなる良エントリ。本のタイトルは「バタフライ効果」も意識したものなのかな?/あくまで印象ですけど、欧米の書籍のノウハウって数ステップに分けて考えるのが多いですよね。
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