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ニューヨークの巷(ちまた)で物心ついた私は、大人の口やテレビのスピーカから流れる多種な訛(なま)りを真似(まね)して育った。ユダヤ人黒人アイルランド人。特殊な文法をかすめてみたり、いかにもというワンフレーズを丸ごと切り取って自分のしゃべりに嵌(は)めてみたり、という具合に。本書を読みながら、むかし感じた人のクセを身に纏(まと)う「コスプレ」的気分にしばらく浸ることができた。 今もアメリカには「人種語コスプレ」、「外人英語コスプレ」、とでも言える言語行為は健在である。ひるがえって本書が詳述するのは、土地に根づくはずの日本の方言の「コスプレ」だ。奇天烈(きてれつ)な名称に聞こえるが、中味は手堅く、言語学の手法を尽くして日本語の「未来予想図」までを生き生きと描いてくれている。 「コスプレ」とは何か。ある話者が生まれ育った土地の言葉をベースに、テレビや小説、マンガなどから仕入れた他所の言葉を部分的
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