ポイント タンパク質が、まったく異なる物質である転移RNAと、形から反応まで酷似するように進化 EF-Pが、転移RNAに働く酵素を先祖にもつGenXからアミノ酸を受け取る様子を3Dで解明 細菌だけに存在するGenXは副作用のない新規抗菌薬開発の有望なターゲットに 要旨 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)と国立大学法人東京大学(濱田純一総長)は、遺伝情報の翻訳過程で必須の役割を果たす翻訳因子EF-Pと、機能不明であった酵素GenXとの複合体の立体構造解析に成功し、EF-PがGenXによりアミノ酸を受け取ることを発見しました。これにより、タンパク質であるEF-Pが、核酸である転移RNA(tRNA)※1と、形だけでなく、その反応までもが酷似していることを初めて明らかにすることができました。また、GenXによるEF-Pへのアミノ酸の受け渡しが、大腸菌など真正細菌※2の増殖に必須であることも