先日、貸金業者に対して払いすぎた利息を取り戻す「過払金返還請求」を受任した弁護士・司法書士が、取り戻した過払金を依頼者に返還していないと疑われるケースが、2012年以降、全国で少なくとも45件あるというニュースが報じられました。 「過払い金の仕組みを利用した悪質な行為」と調査を担当した会社が言うように、いくら戻ってきたのか、戻ってこなかったなどの情報は弁護士・司法書士の言う事を依頼者は信じるしかありません。 今回は、このようなケースの違法性や、どのような犯罪が成立するのかについてお話しします。 ■意図的に返還していなかったケースについて 受任弁護士や司法書士が過払い金を意図的に返還していなかったケースでは、業務上横領罪(刑法253条)、詐欺罪(246条)が成立する可能性があります。 弁護士職務基本規程や司法書士倫理では、受任事件について相手方や他の利害関係者から預かった金員は、自己の金員と