「普遍的価値」は、外務省のホームページによると、「自由」「民主主義」「基本的人権」「法の支配」「市場経済」から成る。外務省のホームページにも出てくるように、近年の日本政府は、「普遍的価値に基づく価値観外交」(外務省ホームページ)を外交方針に挙げている。中国の民主化や民族問題に関わる活動で「普遍的価値」が語られるのも、こうした趨勢によるものなのだろう。 しかし、「普遍的価値」が強調されればされるほど、逆に西側世界、とりわけアメリカの価値観に限定され、普遍性を持たぬように感じてしまうのは、おそらくぼく一人ではあるまい。たとえば、民主主義という言葉は、民主集中制、プロレタリア民主主義など、本来はもっと広い意味で用いられたはずだが、「普遍的価値」にもとづき中国やロシアなど強権国家の「非民主的な」ありようが批判される中で、中国の全国人民代表大会が依拠する民主集中制などは顧みられず、民主主義イコール西