ユダヤ人入植地反対デモで、パレスチナ国旗を掲げてイスラエル治安部隊と対峙するパレスチナ人たち。(AFP) イスラエル新政権はアブラハム合意の行方に対する懸念に拍車をかけている。これまで強硬な民族主義的見解を表明し、態度を軟化させる兆しをほとんど見せない、複数の人物を閣僚に起用したからだ。しかし、望みがすべて絶たれたわけではない。国交正常化を目指す機運を再燃させるための時間は十分にある。パレスチナ人を犠牲にした中東諸国との和解など無理だと、イスラエル政府が理解すればの話だが。 初動ミスが相次いでいる。イスラエル新政権発足の数日後、イタマル・ベングビール国家安全保障大臣がエルサレムのアル・アクサモスク複合施設に出向いた。このため、ただでさえ脆弱なエルサレム市内の宗教的聖地の現状に、変更が加えられるとの懸念が一気に高まった。 ガザ地区からイスラエルへのロケット弾攻撃は、不当だが予測可能だった。そ