タグ

ブックマーク / www.yamaguchijiro.com (13)

  • 亡国の安倍政権 | YamaguchiJiro.com

    衆議院予算委員会で、野党議員が桜を見る会や前夜祭をめぐる従来の安倍晋三首相の説明の矛盾を追及している。2月17日の衆院予算委員会で、辻元清美議員は、ANAインターコンチネンタルホテル東京は過去7年間、政治家関連を含むあらゆる会合について見積書を発行し、宛名空欄の領収書は発行したことがないとの回答を元に、個々の参加者がホテルと契約し、宛名空欄の領収書をもらったという首相答弁の虚構を衝いた。首相は、ホテルの説明は一般論だという主張を繰り返し、「信じていただけないということになれば、そもそも予算委員会(の質疑)が成立しない」と述べた。予算委員会は事実に基づく討論の場ではなく、教祖による説教の場になったのか。 同時に、新型コロナウィルスの感染拡大が明らかになった。こんな危急の時に桜を見る会の追及などすべきではないという声もある。しかし、桜を見る会をめぐる疑惑を自ら払拭できない政府だからこそ、新型コ

    kyfujita
    kyfujita 2020/03/14
  • 2020年の政治 | YamaguchiJiro.com

    2020年は、自由民主主義の危機とともに始まった。20世紀前半のファシズムと戦争の悲惨な経験を経て、20世紀後半においては自由民主主義が先進国にとっての自明の政治体制となった。民主主義は多数の意思によって権力を構成し、社会を統治する仕組みである。しかし、ヒトラーの台頭に見られるように、多数者が偏見や感情のままに行動し行政府の支配者にすべての権力をゆだねれば、独裁が成立する。それゆえ、第2次世界大戦後は自由主義の原理と民主主義を結合し、行政権力の暴走を防ぎ、人権と自由を擁護する穏健な民主主義が成立した。自由主義の原理とは、具体的には議会による討論を通した権力監視を確立し、行政権は法の支配によって制約されるという形をとる。 ドナルド・トランプ、ボリス・ジョンソン、安倍晋三という3人の権力者はこの自由主義の原理を無視して支配を行っている。米国では、権力乱用と議会妨害のかどで下院が大統領の弾劾決議

    kyfujita
    kyfujita 2020/03/14
  • 21世紀日本における大衆の反逆 | YamaguchiJiro.com

    安倍晋三首相は11月に近代日史上、最長在任記録を更新した。しかし、桜を見る会をめぐる様々な疑惑が噴出する中で、大きな危機に直面している。安倍後援会が開催した前夜祭なるイベントをめぐる政治資金規正法や公職選挙法をめぐる論点については、法律の専門家の議論があるので、ここでは取り上げない。内閣主催の行事に多数の支持者や応援団の文化人、芸能人などを招待して、事実上の供応を行ったことの政治的責任を論じたい。 政治家が個人で花見の会を主宰し、支持者に無料で酒の提供を行えば公選法違反である。しかし、内閣主催で税金を使って供応すれば、違法性は問われないというのが安倍内閣の認識であろう。この政権に常識や行儀作法という言葉は通用しない。集団的自衛権の行使容認の時以来、法で明確に禁止されていなければ何をしてもよいというのが今までのやり方である。さらに言えば、参議院規則に基づいて3分の1以上の委員が予算委員会

    kyfujita
    kyfujita 2020/03/14
  • どこへ行く、野田政権 | YamaguchiJiro.com

    今週から通常国会が始まる。この国会の会期中は、何が起こっても不思議ではない。野田首相は消費税率引き上げ法案を提出し、参議院で否決されたら解散総選挙もありうると述べた。 野田という人はまじめな政治家なのだろう。しかし、まじめであることですべての問題を解決できるわけではない。今の野田首相を見ていると、二〇三高地を攻撃した乃木大将を連想する。正面から攻撃を繰り返し、おびただしい犠牲者を出した。乃木大将の精神主義は、結果を出すことよりも、犠牲を出して攻撃すること自体を目的にした。 税金というのは公共サービスを提供するための財源である。たくさん税金を払うことは、より充実した社会保障、教育、子育て支援などを受けることにつながらなければならない。しかし、今の日の税金論議を聞いていると、庶民が支配階級のために金を召し上げられるという前近代の域を出ていない。 財務省の限界もそこにある。財務官僚は帳面上の健

    kyfujita
    kyfujita 2020/02/19
  • 浮遊する政党政治 | YamaguchiJiro.com

    石原慎太郎氏が東京都知事を辞めて新党を結成すると表明し、第三極をめぐる議論が飛び交っている。私は石原という政治家を全く信用していないので、彼が進める第三極にも何の関心もない。ただ、これからの政党政治の基軸を考える上では、反面教師としての意味はあるかもしれない。 当人やメディアは第三極と言うが、政策の重心は自民党よりも右側である。外国のメディアでも日の右傾化が話題になっているようだが、右の選択肢ばかりが増えては何の意味もない。また、数をそろえるために重要な政策課題についての議論を棚上げにするのでは、今までの政党再編の誤りを繰り返すだけである。 何か新しい動きを起こそうとするとき、なぜ政治家はああまで他人を攻撃し、否定するのだろうか。確かに現状に大きな問題があるから新しい政党や政策が必要であり、政治家が権力者を批判することから自己の存念を開陳するのは当然かもしれない。しかし、日の諸問題は、

    kyfujita
    kyfujita 2020/02/17
  • 大阪ダブル選挙を終わって | YamaguchiJiro.com

    11月27日に行われた大阪ダブル選挙は、橋下徹市長率いる大阪維新の会の圧勝に終わった。私自身は、橋下市長の言う大阪都構想が中身不明のスローガンであり、彼が進めてきた教育改革も単に上意下達と、競争による優勝劣敗だけをもたらすと批判してきた。そして、現職市長だった平松邦夫候補の陣営に何度か応援に行った。その意味では、腹立たしい結果である。しかし、負けに不思議の負けなしで、橋下流に反対した者こそ、この結果を厳しく総括しなければならない。 大阪の民意の根底には、政権交代以来の民主党政権の混迷と、既成政党に対する不信感が存在する。こういう状況では、維新の会が魅力的な第三の選択肢に見える。橋下市長は知事時代に、国直轄事業に対する地方負担の見直しを除いて、見るべき政策的成果を上げていない。むしろ、スローガンばかりで、具体的な制度構築に着手していないためにボロを出さずに済み、人々の幻想を保つことができた。

    kyfujita
    kyfujita 2020/02/17
  • 政治における論争と政策課題 | YamaguchiJiro.com

    通常国会の予算審議では、経済分野の統計のずさんさが最大争点となった。ことはかなり専門的なテーマであり、世論の関心も高まらなかったので、政府は野党の追及をかわして逃げ切った感がある。しかし、経済の実態を測定する物差し自体にゆがみがあったという疑惑は続いている。『日経済新聞』の昨年11月13日朝刊に、「国内総生産(GDP)など基幹統計の信頼性に日銀が不信を募らせ、独自に算出しようと元データの提供を迫っている」という記事があった。今回問題になった賃金統計のずさんさについてはすでに日銀が疑義を呈していたのである。政治的圧力が働いたかどうかは知る術もないが、安倍晋三政権の長期化の中で、政権が掲げる目標が達成されたという数字を拾い集めるという「問題意識」が所管官庁にあったことは事実であろう。 アベノミクスが成果を上げているかどうかを国会で議論しても、水掛け論になる。むしろ野党は、短期的な政策の成否に

  • フール・ジャパン | YamaguchiJiro.com

    最近の日では、過去、現在を通して何かにつけて自画自賛する風潮が目立つ。テレビのバラエティ番組では、外国人が日の美点をほめる企画がはやり、出版界も同様である。この種の企画を考える人は、ウォシュレットを褒めてもらってうれしいと思うのだろうか。 自国褒めを過去にさかのぼらせれば、歴史修正主義になる。サンフランシスコ市が慰安婦像の設置を認めたことに抗議して、大阪市が同市との姉妹関係を断絶することになった。慰安婦への人権侵害を記憶するモニュメントを作ることを直ちに日への攻撃と受け止めることは短絡的である。自画自賛病は、歴史を冷静に検証することを拒絶する。 政府はクールジャパンのスローガンの下で、アニメ、日など文化を輸出するプロジェクトを推進し、資金を拠出してファンドまで作った。しかし、このファンドが出資した案件で成功しているものはほとんどない。このファンドの経営陣のコネで出資先を決めている

    kyfujita
    kyfujita 2017/12/28
  • 役人の堕落 | YamaguchiJiro.com

    来年度予算が固まった。財政の借金依存は相変わらずだが、マクロな放漫財政はミクロな行政規律の崩壊の積み重ねである。最近明るみに出たいくつかの公金支出の不正は、この国の政治や行政が底なしに腐していることを物語る。 政界とのつながりを吹聴していた人物が経営しているスーパーコンピュータ関連会社に、経産省と文科省所管の特殊法人から延べ100億円の補助金や融資が与えられ、その一部が詐取されたと検察が捜索を始めた。森友疑惑における国有地の8億円もの値引き、今後の助成金が約束された加計学園の新設学部の認可に加えて、この詐欺事件である。 国立大学在籍時代に研究費をいただき、その管理・執行に細心の注意を払った経験を持つ身としては、信じられないずさんさである。公金の支出を審査する担当職員の目は節穴だったのか。 予算をよこせと政治家が圧力をかけるのは毎度のこと。役人は、筋の通らない案件については法律を盾に杓子定

    kyfujita
    kyfujita 2017/12/28
  • 手遅れになる前に | YamaguchiJiro.com

    2017年も終わろうとしている。10月の総選挙で安倍政権がさらに数年継続することが確実となった。しかし、日が直面している様々な政策的難題に対して政治が的確に取り組んでいるかと言えば、憲法改正を始めとする空騒ぎばかりが続いているように思える。今年は、1997年の金融危機から20年、失われた時はいつの間にか20年を超え、このまま政治が無策であれば30年に届くだろう。この20年間は、社会・経済の病理は緩慢に進行してきたが、ある臨界点を超えれば手の施しようのないような速度で悪化するかもしれない。 12月7日の朝日新聞朝刊に、旭化成社長の次のような話が載っていた。 「当社では、30代後半から40代前半の層が薄くなっています。2000年前後に構造改革で採用を極端に減らしたためです。その世代が中間管理職として一番パワーをもたないといけない時代にさしかかってきました。キャリア採用もしていますが、なかなか

    kyfujita
    kyfujita 2017/12/28
  • 政治危機の年 | YamaguchiJiro.com

    新しい年を迎えたが、政治を観察、論じてきた者にとって今年ほど不安と危機感の大きい年はないのではないか。それは、野田政権が崩壊するとか、解散総選挙の結果、自民党政治が息を吹き返すといった次元の危機ではない。国民が政党政治全体に背を向け、民主政治が機能しなくなるという源的な恐怖である。2009年の政権交代が、自民党や官僚機構という権力の岩盤を崩して新しい民主政治を開始させたのか、単に政治の混沌を覆う蓋を開けただけだったのかという問いに、今年は最終的な答えを出さなければならない。 こんな大仰な問いを立てたものの、残念ながら、答えはほぼ見えている。民主党は自民党政権を倒すために政治家が寄り集まった集団である。自民党を打倒するという共通の目的を達成した後は、具体的な政策について意志を結集して実現することができないまま、二年数か月が空しく過ぎ去った。そして、野田佳彦首相が命運をかけて消費税率の引き上

    kyfujita
    kyfujita 2012/02/04
    理念のない政党・政治再編は政党政治の自殺である。
  • 民主主義による新生 | YamaguchiJiro.com

    読者の皆さん、あけましておめでとうございます。このコラムを書き始めて今年で5年になる。この間支えてくださった方々に心からお礼申し上げたい。このコラムを書き始めた頃は、もっぱら自民党政権の悪政を批判し、政治の転換を訴えていた。その後政権交代は成就したが、今度は民主党政権の腑甲斐なさを嘆く場となってしまった。 昨年から日を取り巻く状況は一層厳しくなった。大状況としては、大震災と原発事故、世界金融危機の深刻化があり、国内政治では民主党の掲げたマニフェストが有名無実となって政治不信が一層強まっている。私が生きてきた50年あまりの中でも最も厳しい危機だと思う。こんな時に希望を語ることができるのだろうか。 昨年の大震災を契機に、戦後が終わって「災後」が始まるという人もいる。確かに大災害は日に大きな衝撃を与えたが、それで世の中が変わったとはとても思えない。この特報面は今時の新聞には珍しく、原発事故や

    kyfujita
    kyfujita 2012/01/02
    「「災後」を「最後」にしてはならない。そのためには、モア・デモクラシーの理念の下、再出発を期するしかない」。<---また出直しですか!
  • 大阪の民意 | YamaguchiJiro.com

    大阪ダブル選挙は、維新の会の圧勝に終わった。橋下市長の独裁手法を批判してきた私にとっては不意な結果だが、負けに不思議の負けなしで、反橋下陣営の敗因を分析しておきたい。 私は現職市長だった平松候補の応援に2回行ったが、集会に来たのは年配の人ばかりだった。年金受給者や公務員など既存の体制の受益者と、若者を中心とした体制から疎外された人々とを対決させるという、橋下流のデマゴギーを結局打破できなかった。 何でもいいから既存の体制を一度壊して欲しいというのが、閉塞感にとらわれた庶民の思いなのだろう。この点についてはもはや理屈で説得するという段階ではない。手間暇かけて合意を作り出すという民主政治は、今の大阪には必要とされていないようである。 これから維新の会の改革なるものを見極めなければならない。教育条例に現れているような単純な競争原理や市場主義は、地域社会の分断を一層深めるだけである。 今こそ

    kyfujita
    kyfujita 2011/12/09
    山口氏による敗因分析「年金受給者や公務員など既存の体制の受益者と、若者を中心とした体制から疎外された人々とを対決させるという、橋下流のデマゴギーを結局打破できなかった。」
  • 1