2017年のビジネスニュースを振り返ると、残念なことに企業の不正が相次いだことが強く印象に残る1年でした。日本を代表する大手メーカーで、強みとしてきた品質への信頼を損ないかねない事態が次々と発覚し、その連鎖は今なお止まっていません。 一体何が起きているのか。長年、企業再生に関わり、企業トップの役割やマネジメントの在り方に詳しく、かつて産業再生機構のCOOを務めた冨山和彦さんの辛口のコメントから日本企業が抱える構造問題に切り込みたいと思います。(経済部記者 甲木智和) 冨山さんは外資系のコンサルティング会社「ボストンコンサルティンググループ」に入社。その後すぐに日本のコンサルタント会社に転職し、キャリアを積み重ねてきました。2003年、政府が主導する産業再生機構のCOOに就任。カネボウやダイエーなどの経営再建に関わったことで知られています。 左が冨山さん 2007年3月 産業再生機構の解散時