17歳以下のおよそ6人に1人が貧困の状況にあり、その割合は増え続けているという。このまま放置すれば、大きな経済的損失を日本にもたらすとする報告書が発表された。貧困状態に置かれ、孤立しがちな子どもたちへの支援は、人道的な理由からだけでなく、将来の国の経済や財政にとっても不可欠だ。子どもの貧困を研究する湯澤教授に寄稿してもらった。 2016年の新しい年を迎えた。子どもたちにとっては、クリスマス会、大晦日(みそか)、お正月などイベント続きの冬休みを過ごす時期である。しかし、「おめでとう」の言葉が行きかうこの時期に、しんどい思いをする子どもたちがいる。 「何年もクリスマスケーキを食べたことがない」「お年玉はない」「友だちと遊びに行く交通費もない」「家の中は十分な暖房がない」。そのような子どもたちのなかには、いつもお腹(なか)をすかせている子どもも少なくない。 これは、現代の日本の話である。 むろん