ヒキガエルが持つ猛毒に含まれる幻覚を引き起こす成分が、近い将来、うつ病の治療薬として有望視されている。 数十年使用されている抗うつ剤の効果は思っていたほど上がっていないという。うつ病を抱える人は世界で2億6400万人以上いるともいわれているが、その約3分の1が抗うつ剤が効いていないという調査結果もある。 そこで今、新たに注目されているのが、サイケデリック療法(幻覚療法)だ。1960年代初期に登場した療法だが、副作用が少なく、効果の高い幻覚成分としてヒキガエルに含まれる有効成分が注目されているのだ。 うつ病の治療薬として再び注目されているサイケデリック療法 「サイケデリック療法」(幻覚療法)は、LSDやマジックマッシュルームといった幻覚剤を医療に利用しようという試みだ。 その始まりは、1960年代前半にアメリカの心理学者ティモシー・レアリー博士が行った「ハーバード・シロシビン計画」とされる。