2021年末以降、LIBOR(London InterBank Offered Rate)が消滅する可能性が高まっている。LIBORは世界中で様々な取引で利用されており、その消滅は金融市場に大きな影響を与えることが懸念されている。 LIBORは、ロンドンの銀行間取引市場において、複数のパネル行が呈示するレートの平均金利として算出される金利指標である。ドル、ユーロ、ポンド、スイスフラン、円の5通貨について算出され、貸出、債券、デリバティブなどの取引で利用されている。2014年時点で合計約220兆ドルの取引で使用されていると推計されている(※1)。 LIBORについては、2012年夏以降発覚した欧米銀行による不正操作を受けて改革が進められ、その過程で、LIBOR算出の基になる銀行間取引が低調であることが露呈した。そのため、2017年7月に英国の金融当局が、2021年末以降はパネル行にレート呈示