「州兵はどこにいるのか」 ピーター・E・フィリップス 五十歳 会社員 神戸市中央区(イギリス) 阪神大震災の後一カ月がたって電気、電話、ガス、水道が復旧し、神戸の避難所にいる二十五万人の人々を除き、私たちの生活は正常へと向かっている。私はメディアの画像が他の場所の災害に移るにしたがって、自分自身の思考を集中することができるようになった。 私は常に一月十七日の暗黒の朝を思い出すであろう。神戸市中央区のポートアイランドの七階建ての住宅の最上階で、私は凍りつく寒さの中で目を覚ました。耳をつんざくような音がして、建物全体が激しく揺れた。私はどうして自分がじっとしておれないのか理解できなかった。私は真っ暗な中にいた。街のすべての明かりは消えていた。 揺れが収まって私はゆっくりと立ち上がり、何が私の小さな部屋の床全体にあるのかを見ようとした。天井から垂れ下がった影は、屋根が壊れたように見えた。台所では