ちょっと前、コメント欄で質問があったので、少しだけ。答えになるかどうか。 私にとっての新書って、やはり高校の時から愛読した岩波新書。その岩波新書は、大事なテーマをとりあげた歴史に耐える本であって、何刷りになっても後の世に伝わっていくというイメージである。 数年前、現在のような新書ブームになる前に創刊されたある新書の編集長にお会いしたとき、次のように言っておられた。「新書だから10年は生命力のあるものをつくりたいとやってきた」。やはり、ある年齢層の人にとって、新書はそういう価値をもつものだ。 でも、いまは違うよね。新書って、安い値段で買えるけど、テーマも中身もお手軽ってイメージを持たれているのでは? もちろん、真面目に取り組んでいる出版社もある。でも、最近創刊された新書のなかには、独自の編集部を持たないところさえ出ている。新書程度のものは、他の本をつくる片手間でもつくれるのだというの