製品発売後の価格下落を抑えるには,新しい「価値」を創造しなければならない。その価値は2つに大別される。第1は「技術革新」によって,物理学や化学などのサイエンスの知見を製品に結び付けること。それによって独自のコア技術を生み出し,他社のキャッチアップを遅らせることができる。第2は,ブルーオーシャン戦略の言う「価値革新」によって,消費者が望む価値を他社と差異化し,メリハリを付けることである。いずれの価値であっても,時間の長短はあるものの他社が追いつくのは必至である。そのときには,再び新しい価値創造に果敢に挑戦しなければならない。 しつこいようだが,前々回のコラム「価格下落曲線がコスト下落曲線と交わる時」で読者の皆様からいただいた意見を基に,デジタル家電の価格下落に対してどう対処していったらよいのかを考えていきたい。今回のテーマは,価格下落を抑えるための「価値」をどう生み出したらよいのか,である。