年々、巧妙化するサイバー攻撃によって、重大な情報を盗まれる危険が高まっている。ウイルス対策ソフトなどで悪意のあるソフトの侵入を防ぐ従来型手法では限界がある。発想の転換で「未知の攻撃」をあぶり出す高度な技術が、実用化間近となっている。 それらをターゲットに仕込む手法も多様化。「既知」のマルウエアや攻撃手法に基づいた「ウイルス対策ソフト」や監視システムに限界が訪れている。そこで、従来にはない発想で未知の攻撃を検知する技術開発が各社で進む。 人工知能で正常モデルを学習 「数カ月かけて1つの目標にじわじわ迫る手口が増えている。攻撃者は確実にプロ化している」。NECセキュリティ研究所所長代理の宮内幸司氏は新技術を開発した背景をこう語る。 同社が開発したのは「AI(人工知能)」を活用した「自己学習型システム異常検知技術」。社内システムやネットワーク全体の平常時の動作を機械学習させ、正常な動作モデルを覚