好きなことだけに言及し、楽しいことだけを享受して生活するほうが、精神衛生的によい。それはわかっている。 だけど、最近はあまりにもこのCMのことだけを考えてしまうので、ここで一度発散させていただきたい。 もともと「逃げる」という言葉には、ネガティブなニュアンスが含まれがちである。 戦わないこと、かっこ悪いこと、卑怯なこと。 しかし、時代は流れて、少しずつ変わりつつある。対峙する価値のない人、険悪な環境、腐った空気に対して、無駄に消耗するべきではない、潰されるべきではない、逃げるべきだという理解が浸透しつつある。 イジメが蔓延る教室から逃げろ。ブラックな会社から逃げろ。毒な親から逃げろ。 元SMAPたちでさえ「逃げる」という言葉を肯定的に使う時代に、あるいは『逃げるは恥だが役に立つ』が今を象徴する物語になる時代に、最も旬な若手俳優に「一度逃げたら逃げ続ける人生になる」と言わせてしまうことは、こ