Discussion Paper Series No. J78 2 2007 3 第 2 次大戦前の日本における財政の維持可能性 鎮目 雅人* 神戸大学 経済経営研究所 E-mail:shizume@rieb.kobe-u.ac.jp 2007 年 3 月 [要旨] 近代史上、日本は第 2 次大戦直後に一度、財政破綻した。本稿では、第 2 次大戦に至る 日本の財政運営がいつから維持可能でなくなったか、その背景にどのような要因が働いて いたかを検討する。まず、叙述的資料、データならびに先行研究をもとに、第 2 次大戦前 の日本の公的債務について概観する。次に、公債の中立性命題の検証、経済の動学的効率 性の検証、Bohn 検定、の 3 段階からなる財政の維持可能性の数量的分析を行う。さらに、 上記の数量的分析の結果の解釈について、経済史、政治史を含む先行研究や最近公開され た歴史的資料等をもと