今回は、長野県大町市の中心市街地入口にあるJR大糸線・南大町駅からスタートした。新潟県境まで50km余り。この町を過ぎると、ゴールの糸魚川市まで、長野県側の山間地にある白馬村と小谷(おたり)村を残すだけとなる。 大町市は、地形的には、日本列島の中央を通る大地溝帯・フォッサマグナに沿った"日本の谷底"に位置する。また、これまで5回にわたって歩いてきた松本盆地のどん詰まりでもある。そういうロケーションなので、進行方向の北に向かって西を向けば白銀の世界が広がる北アルプス、東には妙高高原の山並みが見える。北アルプスはプレート同士がぶつかり合ってできた切り立った山脈だ。 大町は、あらゆる町角の背景に山岳風景が広がる美しい町だ。ただ、個人的には、子供時代に見て自分の中で山岳の絶景の基準になっているカナディアン・ロッキーや本家のアルプスを借景に抱いたバンフやジュネーヴの町と比べれば、絵葉書的な美と爽やか