巨大労働市場でチャンスを掴め――移民が支える湾岸アラブ諸国 松尾昌樹 地域研究(中東)、国際政治経済学、移民研究 国際 #移民#ドバイ ドバイに行って何を見るか。私の一押しは、間違いなく移民だ。 ドバイ人口の約8割は、移民で占められている。その大半はインド出身で、他にもパキスタンやバングラディシュといった南アジア諸国、スーダン、エチオピア、エジプトなどのアラブ・アフリカ諸国、フィリピン、インドネシアといった東南アジア諸国など、世界中のさまざまな場所からやって来る。 この状況は、程度の差こそあれ、ドバイを含むアラブ首長国連邦、カタール、クウェート、オマーン、サウジアラビア、バーレーン――本稿ではこれらの国を「湾岸アラブ諸国」と呼ぶ――でも共通している。元来の人口規模が小さかった所に、1970年代以降に莫大な石油(カタールの場合は天然ガス)輸出収入が流れ込むことで急速に経済が拡大し、付随して発
この画像を大きなサイズで見るimage credit:Arab News さて先日、北ヨーロッパにあるエストニアで、ロボットとAIに法的な身分を与えるべく、その法制化に動き出しているというニュースをお伝えしたと思うが、サウジアラビア政府が世界に先駆け、ロボットに市民権を与えたそうだ。 その狙いは、自国をAI開発のメッカとしてアピールすることだ。もしかしたらAIに完全な市民権を認める下準備という意味合いもあるのかもしれない。 Robot Sophia gets Saudi citizenship 首都リヤドで開催されたビジネス向けイベント「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ」でサウジアラビアの市民権が与えられたのは、「ソフィア」という女性型ロボットだ。 関連記事:オードリー・ヘプバーンと研究者の妻をモデルとした女性ロボット、ソフィア 市民権を送られたソフィアがイベントで応答 イベン
独自路線で国際社会を生き抜く――カタール、断交の背景 日本エネルギー経済研究所中東研究センター研究員、堀拔功二氏インタビュー 国際 #サウジアラビア#カタール#断交 サウジアラビアをはじめとする中東9か国から断交されたカタール。小国でありながら、国際放送アルジャジーラなどを有し、その経済的豊かさを背景に国際的にも存在感を発揮している。カタールとは、どのような国なのか。小国ならではの生存戦略、断交の背景、そしてその影響について、専門家に伺った。(聞き手・構成/増田穂) ――6月5日にサウジアラビアなどからの断交で注目を集めたカタールですが、そもそもどのような国なのですか。 カタール(より原音に近い表記としては「カタル」)は1971年にイギリスの保護領から独立した、比較的若い国です。周辺諸国と同様に君主体制(首長制)を採用しており、首長家であるサーニー家が伝統的にこの国を支配してきました。20
2016 - 08 - 09 フランスの北アフリカ植民地支配と経済依存構造の成立について 北アフリカ フランス Tweet 旧宗主国フランスに依存する、不安定なマグレブ諸国 チュニジア、アルジェリア、モロッコを総称してマグレブ諸国(リビアとモーリタニアを含む場合もある)と言いますが、日本人にとっては馴染みが薄い地域です。 モロッコはサハラツアーやマラケシュ、カサブランカと言った町を巡るツアーで特に女性に人気があるようですが、アラブの春の発信地チュニジア、日揮の社員が襲撃され殺されたアルジェリア、リビア革命が起きカダフィが倒されたリビアなど、治安が悪いというイメージを持つ人もいるかもしれません。 これらの国々はヨーロッパ諸国、特に旧宗主国フランスとの関係は深いものがあります。 過去の支配し支配されという経験から反ヨーロッパ・民族ナショナリズムの声は強いですが、一方で植民地解放を終えて長い時間
2016.07.21 Thu ドイツ、難民の間で広がるキリスト教への改宗 SYNODOSが選ぶ「日本語で読む世界のメディア」 ドイツで広がる難民の改宗 信条の自由を保障する国における個人的な試み 難民危機がはじまった当初から、ドイツの教会はボランティアとして、難民に対する物資と精神的な援助を行ってきた。一部のイスラーム・コミュニティでは、このような支援が難民に影響を及ぼし、彼らイスラーム教徒のキリスト教への改宗を推進するのではないかという危惧を示している。そうした危惧を招くようなことがあるのだろうか? 最近発表されたいくつかのドイツの報道レポートでは、イスラーム教徒の難民のキリスト教への改宗現象が取り上げられている。中でもドイツ・テレビのチャンネル1のレポートと雑誌「フォーカス」の記事は、イランやアフガニスタン、パキスタンからの難民申請者の数名に対する洗礼の様子を伝えている。これら二つの報
紛争が長引く中東などからヨーロッパを目指す難民や移民が急増するなか、ハンガリーは不法な入国を食い止めようと、隣国との国境にフェンスを建設する計画を打ち出し、周辺国から批判の声が上がっています。 計画では、ハンガリー政府は65億フォリント(日本円にしておよそ30億円)をかけて、高さ4メートル、長さ175キロのフェンスを建設する予定です。 EU=ヨーロッパ連合では、ハンガリー以外にもブルガリアやギリシャで難民や移民の流入を防ぐため、国境にフェンスを設置した例があるものの、セルビアが「フェンスの建設は問題の解決にはつながらない」と反発するなど、周辺国から批判の声が上がっています。 これに対してハンガリー政府は、ことしに入って6万人以上がハンガリーに不法に入国したとして理解を求めています。 25日にベルギーで始まるEUの首脳会議では、地中海を渡る難民を加盟国の間で分担して受け入れる、いわゆる割り当
今日の横浜北部はよく晴れておりまして、気温も秋晴れの空の中で少し上がっております。相変わらず過ごしやすいですね。 さて、ニコニコ動画の生放送(http://ch.nicovideo.jp/strategy/live)でも触れたドイツの新しい反ユダヤ主義の台頭についての記事の要約を。 今回の記事について番組中で触れたところはYoutube(http://youtu.be/TU5nQH985W8)の方にも公開しておりますので、ぜひ御覧ください。 それにしてもなかなか考えさせられる話です。 === ドイツの新しい反ユダヤ主義の背景にあるのは? byヨッヘン・ビットナー ●ヨーロッパは反ユダヤ主義の新たな波にさらされている。ドイツの「ユダヤ人中央協議会」の代表は、ヨーロッパにおいて第二次大戦以来の最悪の状態だと述べているほどだ。 ●彼の見立てはおそらく正しい。シナゴーグ(ユダヤ教寺院)への攻撃はほ
2024年を彩った多数の選挙のうち、ルーマニア大統領選が特別な位置を占めることになるとは予想されていなかった。同国では1989年に共産主義体制が崩壊して以降、いずれも大西洋主義で親欧派の社会民主党(PSD)と国民自由党(PNL)が政権交代を繰り返すか、あるいは現在のように連立政権を担ってきた。 →
22年大会を目指して建設ラッシュが続いているが、事故多発や労働者搾取のひどさに開催取り消しを求める声も フランス人サッカー選手ザヒール・ベルーニスが、カタールのチーム「アル・ジャイシュ・ドーハ」と契約を結んだのは2010年のこと。この契約で、彼のキャリアの行く先には高額報酬と明るい未来が待っているように見えた。 しかし、カタールで彼が直面したのは苦い現実だった。もう2年近く給料をもらえず、プレーもできない状態が続いている。「俺のキャリアは終わりだ。一銭も残っていない。最悪だ」とベルーニスは言う。チームの許可がないため、カタールから出国することさえできない。 ベルーニスのケースは、カタールの外国人労働者が置かれる残酷な待遇の一例にすぎない。 22年ワールドカップ(W杯)の開催国カタールでは最新式スタジアム12カ所、ホテルの新増築(約9万室)、鉄道網などのインフラ整備として、1500億ドル規模
真珠採取業が全盛期を迎えていた頃の首長イーサ・ビン・アリ・アール・ハリーファ(英語版)(1869年 - 1932年)の館 バーレーンの真珠採取業(バーレーンのしんじゅさいしゅぎょう)は、一説には紀元前2000年頃にまで遡るとも言われるバーレーン古来の基幹的地場産業であった。石油発見以前のペルシア湾一帯は天然真珠の一大産地となっており、わけてもバーレーン近海の真珠は高品質と評価されていた。しかし、日本の真珠養殖業の発展や世界恐慌の影響によって壊滅的な打撃を受け、1930年代以降、急速に衰退していった[1]。 バーレーンのムハッラク島には往時を偲ばせる建造物群が並ぶ「バーレーン真珠採取の道」(英語: Bahrain pearling trail) が残されており、それらの建造物の一部と関連する漁場などが、「バーレーン要塞 - ディルムンの古代の港と首都」に続く同国2件目の世界遺産として、201
【ジャカルタ=梁田真樹子】サウジアラビアで働いていたインドネシア人家政婦が、雇用主を殺害したとしてサウジで処刑された問題で、インドネシア政府は1日、サウジへの労働者派遣を停止した。 期間は未定。インドネシア政府は、1年間停止が続いた場合、外国からの送金が、総額の約5%の3兆ルピア(約270億円)減少するとみている。 インドネシアは、雇用対策として中東やアジア諸国などへの出稼ぎを奨励し、サウジへは2010年、約23万人が渡航。現在約100万人が働いている。 サウジで働くインドネシア人家政婦たちは、給料の不払いや虐待などの問題が以前からあり、処刑を機にインドネシア国内での反発が一気に高まった。
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