過去数十年にわたって、世界でサービス経済化が進んできたけれど、日本におけるそれはかなり特殊なものだったのではないか。やや皮肉を込めて、日本的特色のあるサービス経済化とでも言いたくなるようなものだったのではないか。 それは、アカデミックな文章語ではあまり表面に現れないが、日常言語では極めてありふれた言い回しである「サービスしてよ」とか、「サービスしまっせ」という表現に滲み出ている、無料とか、安価といった意味合いが限りなく染み込んだ、そういう「サービス経済化」であったのではないか。 その結果、世界共通のサービス経済化が、日本においては、低価格、低賃金の、いわば「サービスしてよ経済化」「サービスしまっせ経済化」をもたらすことになったのではなかろうか。