主要国で最悪の財政をどう立て直すか。その目標と計画の土台となる中長期の財政試算を、内閣府がまとめた。 試算では、実質で毎年度1・4~2・1%という高めの成長を続けた場合と、「巡航速度」の1%強の成長率で推移した場合という2通りを想定。借金に頼らずに政策経費をまかなえるかを示す基礎的財政収支(PB)が黒字になるのは、高めの成長の場合でも27年度とした。 新たな財政再建目標を巡る議論では、基礎的収支の黒字化を27年度からどれだけ前倒しするかが焦点になりそうだ。 財政を立て直すには、景気に目配りしつつ、増税と歳出削減を組み合わせるしかない。国民の理解を得るには、国会での徹底的な議論をはじめ、開かれた場での検討が不可欠である。 ところが安倍首相は、財政問題に向き合おうとしていない。 法律で定められている消費増税に関しては、増税延期や増税分の使途拡大を、衆院解散とセットで唐突に打ちだしてきた。そうし