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ブックマーク / book.asahi.com (88)

  • 「有害コミック撲滅!」書評 文化破壊を恐れヒーローも悪に|好書好日

    有害コミック撲滅! アメリカを変えた50年代「悪書」狩り 著者:デヴィッド・ハジュー 出版社:岩波書店 ジャンル:マンガ評論・読み物 1950年代前半、アメリカで有害コミックが一掃され、900人近い原作者や作画家たちが追放された。当時の関係者に取材し、全容を詳細に解明する。日の悪書追放運動との関連を考… 有害コミック撲滅!―アメリカを変えた50年代「悪書」狩り [著]デヴィッド・ハジュー 1950年代にアメリカン・コミックは撲滅運動に襲われた。この問題を、同時期に発生した「赤狩り」旋風と比較しながら論じたのが、書のおもしろさである。 この時期アメリカは青少年に害をなす「悪い文化」を排除しようとした。ターゲットになったのが共産主義と漫画だった。両者に何か共通点があったのか。著者によると、赤狩りは共産主義かぶれのインテリ層を狙い撃ちにし、他方コミック撲滅は愚かな俗悪文化の浸透から保守エリー

    「有害コミック撲滅!」書評 文化破壊を恐れヒーローも悪に|好書好日
  • 安田浩一「ネットと愛国」書評 過激さの背後にある承認欲求|好書好日

    ネットと愛国―在特会の「闇」を追いかけて [著]安田浩一 在日コリアンに差別的なスローガンを浴びせかけ、過激な行動を繰り返す在特会(在日特権を許さない市民の会)。彼らがデモで叫ぶ罵声は、侮蔑の言葉で満ちている。安田はメンバーへの取材を繰り返し、その実像に迫る。 在特会の生みの親は、桜井誠。現在も会長として運動の先頭に立つ。しかし、その来歴や素顔は判然としない。安田は、彼の地元を取材し、その「地味」で「目立たない」青少年期を明らかにする。 無口で物静かな少年は、いかにして冗舌で攻撃的な「ネット右翼のカリスマ」になったのか。桜井は、ネット掲示板韓国北朝鮮を批判し、注目を集める。次第に一部で過激なスタイルが受けはじめると、激烈な口調が加速した。 学歴社会から弾(はじ)かれ、警備員や役所の非正規職員として働いてきた彼は、役所や教育機関に対して攻撃的だ。そして、在日コリアンの「特権」を誇張し、既

    安田浩一「ネットと愛国」書評 過激さの背後にある承認欲求|好書好日
    laislanopira
    laislanopira 2012/05/16
    こういう鬱屈した人は嫌韓にいくだけではない。橋下徹の応援に行く人もいれば小沢応援に行く人もいるし、反原発や放射脳に行く人もいる。どこもかしこも鬱屈と攻撃的口調で一杯だ
  • 【レビュー・書評】「フクシマ」論―原子力ムラはなぜ生まれたのか [著]開沼博 - 書評 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    「フクシマ」論―原子力ムラはなぜ生まれたのか [著]開沼博[評者]上丸洋一(社編集委員)[掲載]2011年7月17日著者:開沼博  出版社:青土社 価格:¥ 2,310 ■能動的に原発を「抱擁」した歴史 福島は、どのようにして「原子力ムラ」となり「フクシマ」となったか。その主題を「中央と地方」「戦後成長」との関係から追究する。約400ページの書は一部を除いて3・11以前に書かれた。福島県生まれの若い研究者の学術論文が、未曽有の大震災をへて注目を集めている。 「(原発が)ないならないほうがいい」 著者のインタビューに福島県の50代の女性が答える。それでも「出稼ぎ行って、家族ともはなれて危ないとこ行かされるのなんかよりよっぽどいいんじゃないか」と。 原子力ムラは自ら能動的に原発を「抱擁」(受容)している。その「幸福感」に著者は着目し、ムラを受動的な存在とみる見方を退ける。 書を読みながら

  • 【レビュー・書評】韓国人の作法 [著]金栄勲 - 再読 こんな時 こんな本 - BOOK:asahi.com(朝日新聞社)

    書店員に聞く 韓国人とのつきあい方の韓国人の作法 [著]金栄勲[掲載]2011年7月16日朝刊be著者:金 栄勲  出版社:集英社 価格:¥ 735 韓流ドラマの洪水の中で、かつて「近くて遠い国」だった韓国当に近い国になった。とはいえ、ドラマを見て理解しがたいシーンに首をかしげた人は多いだろう。韓国人と友達づきあいをするために、役立つを紹介したい。 ■三省同神保町店 福澤いづみさんのおすすめ (1)韓国人の作法 [著]金栄勲 (2)心で知る、韓国 [著]小倉紀蔵 (3)朝鮮紀行 [著]イザベラ・バード ▽記者のお薦め (4)韓国がわかる60の風景 [著]林史樹 スペインのバルセロナで1992年に開かれたオリンピック大会の最終日、私は競技場の記者席にいた。男子マラソンの命は日選手だったが、一着でゴールに入ったのは韓国の選手だ。記者会見で日の選手を追い抜いたときの気持ちを聞かれ

  • asahi.com(朝日新聞社):タイポグラフィ電子化で身近に - ひと・流行・話題 - BOOK

    タイポグラフィ電子化で身近に2011年3月18日「20世紀のポスター[タイポグラフィ]」展の会場。亀倉雄策の作品(右)なども展示=東京都庭園美術館「秀英体100」展では、書体の変遷が示された=東京・銀座著者:小谷 充  出版社:水曜社 価格:¥ 2,625 どの書体をどんな大きさで使おうか。パソコンでの書類や年賀状づくりで考えたことのある方はもう「タイポグラフィ」の経験者です。タイポグラフィとは、活字を中心とした文字を使うデザインのこと。この新聞紙面も、その一つです。いま相次ぐ、タイポグラフィの展覧会や出版物。「電子化」という時代の波が、存在を際だたせています。 大小、色とりどりの文字、斜めに走る文字。東京都庭園美術館で27日まで開かれている「20世紀のポスター[タイポグラフィ]」展は、紙の商社・竹尾が所有するポスターコレクションから「文字」をデザインの中心にした約110点を紹介。若い世代

  • asahi.com(朝日新聞社):20世紀の幽霊たち [著]ジョー・ヒル - 書評 - BOOK

    20世紀の幽霊たち [著]ジョー・ヒル[掲載]2008年9月21日[評者]瀬名秀明(作家、東北大学機械系特任教授)■巨匠の父を超える短編ホラーの傑作 いきなり冒頭の「謝辞」欄に組み込まれていた掌編に心奪われた。文学を目指しつつ亡くなった父のタイプライターが夜ごと地下室で音を立て始める。遺族が紙を挟み込むと、そこに幽霊や超自然の物語が次々と紡ぎ出されてゆく。それは父が生前に書いたものよりずっと生き生きしているのだ――不気味だが懐かしく、心地よく、豊かに訴えかける情景の見事さ。このぞくぞくする前振りを読み終えて次ページからの編に期待しない読者はいないだろう。 書は05年に英国の小出版社から刊行されるや絶賛を浴び、主要なホラー文学賞を総なめにした驚異の新人のデビュー短編集だ。著者はホラーの巨匠スティーヴン・キングの実の息子である。だが短編に関してはすでに父を超えている。ホラーのアンソロジスト

  • asahi.com(朝日新聞社):ケータイ小説は現代の陰画か - 書評 - BOOK

    ケータイ小説は現代の陰画か[掲載]2008年8月17日[評者]石原千秋(早稲田大学教授)■夏の読書特集 新書を読もう! 一時はアメリカの「ニューヨーク・タイムズ」や全国ネットの「CBS」までが特集を組んだ日のケータイ小説ブームもいまは盛りを過ぎたようだが、それだけにその特徴がはっきり見えてきた。 田透は「売春、レイプ、妊娠、薬物、不治の病、自殺、真実の愛」がケータイ小説に必須のアイテムだとしている(『なぜケータイ小説は売れるのか』ソフトバンク新書)。これを踏まえて私は、ケータイ小説には物語を「リアル」に見せて、「大人」には届かないループを形成する仕掛けがあり、「少女=きれい/大人=汚い」の二項対立の構造や男性優位のホモソーシャル構造などによって構成された、性を記号として書くポスト=ポスト・モダン小説だと分析した(『ケータイ小説は文学か』)。 菅聡子編『〈少女小説〉ワンダーランド』は、明

  • asahi.com(朝日新聞社):ウィキペディアで何が起こっているのか [著]山本まさき、古田雄介/情報化時代のプライバシー研究 [著]青柳武彦 - 書評 - BOOK

    ウィキペディアで何が起こっているのか [著]山まさき、古田雄介/情報化時代のプライバシー研究 [著]青柳武彦[掲載]2008年7月13日[評者]小杉泰(京都大学教授・現代イスラーム世界論)■悪意ある書き手を防げぬ危険を指摘 ウィキペディアは、インターネット上でユーザーが参加して作る百科事典である。最近は、単語をインターネット検索にかけると、ウィキペディア項目が最上位に来ることも珍しくない。ある調査によれば、その内容が信用できると思う人は6割に上るという。 ところが、その実態はかなり危うい、というのが、日で初めてウィキペディアを正面から論じた『ウィキペディアで何が起こっているのか』の結論である。実際のところ、項目が玉石混淆(こんこう)の上、管理者さえ「疑ってかかったほうがいいです」と述べている。それは、制作の構造に起因する。誰でも参加でき、衆知を集める仕組みは、民主的でよさそうに見えるが

    laislanopira
    laislanopira 2008/07/18
    わざわざ驚いて見せることか