テリー・ギリアムの新作。こないだの「ブラザーズ・グリム」で上と編集方針で揉めて交渉が一時期決裂してる最中にサクッと撮った低予算少人数映画だそうで、グリム兄弟のほうがイロイロと大人の事情に屈服して「ハリウッドにやっつけられちゃったギリアム」みたいなニントモカントモな中途半端感あふれる作りだったのに対し、こっちは憂さ晴らしのためか「ああ、いつものギリアムだ」と安心の作りでした。 原作は少女の一人称小説で、上の邦題のとおり「不思議の国のアリス」をモチーフに採用しています。ローズは少女の名前ね。 アリスをモチーフにして幼い少女の視線から見た世界を描いて変な光景になっちゃった、は最早お約束ですが。ヤン・シュヴァンクマイエル『アリス』を思い出しましたが、えーと当然ながら別物ですんで俺が勝手に並べたって話。シュヴァンクマイエルのアリスは中盤で既にアリス自身ですら解体されてコマ撮りアニメーションの素材とし