「毎日のように飲みに行っている」と男は我々に語った。我々は土曜日を丸一日エンジニアボードゲーム会@本郷に費やした後、会場の近くの中華料理屋で食事をしているのであった。 「毎日のように飲みに行っている。だいたい終電を逃してタクシーで帰る」 よく金が続くものだ。 「結局、タクシー代を考えると、都内に住んだほうがいいので、都内に住んでいる。しかし、家など寝るためにあるようなものなので、いらないのではないか。最近は荷物をどんどん減らしている」 「貯金がないし、たまらない。どうやって貯金をしたらいいのだろう」 贅沢な悩みだ。私と、その場にいたある女は、金の使いどころがなくて貯金額のみむなしく増えていく一方だというのに。 毎月の給与所得というものが発生するようになって早一年、最初こそ、東京に身ひとつで引っ越してきたばかりであり、色々と物入りであったが、基本的な日用品を買い揃えてしまえば、後はなにも要ら