『本とコンピューター』の次に出版された本で、その後1993年から1996年までに書かれたエッセイを纏めてある。『本とコンピューター』のテーマがDTPだとしたら、『本はどのように消えてゆくのか』のテーマはインターネット。日本でホームページが広まり始めたその当時の空気が伝わってくる内容で、一編集者が見た日本におけるインターネットの発展過程の年代記みたいなものとしても読めるかもしれない。気になった文章をメモ。 パソコン通信で対話できるか たしかに、だれでも書くことができるデジタル・ネットワークの世界では、作家も官僚も先生も、そうじて書くことのプロ - 文書をつくり、それを効果的に利用することの専門家が、これまでどおりのふるまい方をつづけるのはむずかしいかもしれない。 その生きにくさを専門家がすすんで経験し、他方、非専門家の側もそのことによって、たんに受け身ではない自分のあり方を発見してゆく。そこ