ソフトウエアテストの重要性は誰でも理解している。ITに詳しくない経営者であっても「テストはしっかりやって万全を期してくれ」と言うからだ。「要件定義をきちんと」「保守運用こそ大事」と語る経営者がどのくらいいるかと考えてみれば、テストがそれなりに認知されていることが分かる。にもかかわらず、テスト現場は苦労する。 開発作業が遅れてくると、予定通りのテスト実施が難しくなる。テストにかける時間が足りなくなるし、テストチームのエンジニアまで開発に動員されてしまい、テストの準備がなかなかできない。ソフト開発を発注した顧客もまた忙しく、期限までにテストに使うデータを用意してくれない。安全を考えると本番切り替えの時期を遅らせてでも予定通りのテストをきちんとこなしたほうが良いのだが、誰も言い出せない。 経営者がテストの重要性を知っていると書いたが、経営者はソフトウエアテストとは何かを正確に理解しているわけでは