2011年3月11日、岩手県奥州市出身で東京在住の漫画家・吉田戦車さんは、1歳になった娘さんと井の頭公園に遊びに行きました。強い地震の揺れに見舞われたのは、それから自宅に戻った直後。今でも休憩した公園のベンチの近くに行くと「その1時間後のことを思って胸がドキドキ」という吉田戦車さんに、当時のこと、故郷のこと、そして被災地への思いを語っていただきました。 被災地の様子を震えながらテレビで見ていました あの日は娘と井の頭公園に遊びに行って帰ってきて、自宅の2階にいた伊藤(妻で漫画家の伊藤理佐さん)に娘をバトンタッチしたあと、強い揺れを感じました。 驚いたのと同時に、とっさに玄関が開くかどうか確認して、いつでも外に逃げられるようにしたあと、2階に上がった。伊藤は子供を抱いて机の下にもぐり、「コワイよ、コワイよ」とずっと言っていました。その後下に降りて一緒にテレビを見て呆然としていたことを覚えてい