小ネタ。「ダメな議論」のひとつに、「○○だとすれば問題」という論法がある。典型的には、「○○という状態がもし仮にあるのだとすれば、それは問題である」といったかたちで使われる。ここでのポイントは「だとすれば」という部分だ。批判する対象を具体的に指摘するのではなく、批判に都合がよいようなものを勝手に想定して、それに対して批判するわけだ。 当然、その批判を向けられた側は、それは実像ではない、認識の誤りがある、と反論したいところだろうが、ことはそう簡単ではない。批判が名目上向けられているのは、現実にある誰かや何かではなく、「だとすれば」という限定がついた、どこにもない虚像だからだ。しかも批判されてしかるべき悪いものに見えるようつくりあげられたイメージだから、正面きって反論しようとすれば、悪を擁護している、あるいは自身がその批判に該当する悪であると認めたかのようにみえてしまうおそれがある。 また、あ