プロ入り7年目。それは打者に本格的に取り組み始めてからの年月とも重なるのだが、今季、日本ハムの中田翔の成長度合いがやや停滞している気がしてならない。 ホームラン(13本、7月2日現在)と打点(51打点、左同)は好調だが、打率が2割台と低迷している。 彼はようやく本物の打者になりつつある――。昨年夏、中田の言葉を聞き、そう確信した瞬間があった。中田はこう話していた。 「バッティングは正直、楽しくないですよ。そんなに甘い世界ではないので。打席に入るの、怖いですしね。言ってもわからないと思いますけど」 怖さを知る。それはひとつのことを極める過程で必ず通過しなければならない通過儀礼であり、そこからが一流の打者への道のりだと思ったのだ。 昨シーズンは8月末に死球で戦列を離れたが、そこまで本塁打28本、打率.303をマークするなど、いずれもキャリアハイとなる成績を残した。プロ入り後、毎年のように試行錯