WHO(世界保健機関)の調査によると、全世界人口の約5%、約3億5000万人以上が「うつ病」に罹患しており、先進国を対象に「健康に害を及ぼす病気」について調査した結果では、うつ病が第1位となっている──。 最近刊行された『「脳疲労」社会 ストレスケア病棟からみえる現代日本』(講談社現代新書)では、このような事実に触れている。現代において、うつ病がいかに深い広がりを見せている深刻な病であるかが、この数字に表れているのだ。 本書の著者・徳永雄一郎氏は、不知火病院の院長や日本ストレスケア病棟研究会の会長を務め、1989年には日本で初の「うつ病専門病棟」を開設した、うつ病治療の先駆者でもある。 その徳永氏による本書には、うつ病に関する最新の知見と、私たち現代人がどのようにうつ病に対処すればいいのか、有用なアドバイスが紹介されている。 徳永氏によると、現在のうつ病を説明するキーワードは「脳疲労」だ。