山岳アスリート「望月将悟」について、あらためて多くを説明する必要はないかもしれない。それほど幅広い世代の人たちに愛されているトレイルランナーであり、山ヤだ。 その名前を広く知らしめたのは、やはり『トランスジャパンアルプスレース(以下TJAR)』だろう。 2年に一度開催されるTJARは、日本海の富山湾をスタートして日本アルプスを縦走し、太平洋の駿河湾のゴールまで約415kmを8日間以内で駆け抜ける壮大で過酷なレース。ここ数年、新聞やテレビでも数多く取り上げられ、山岳愛好者以外でもレースを知る人が増えた。 前回の2016年、望月は自らの持つ大会記録を塗り替えるかたちで、4日23時間52分でゴールし、四連覇を達成した。 山の技術力、体力、走力、精神力、判断力が問われるTJARで圧倒的な強さを見せる望月は、たくさんのアスリートから憧れの眼差しを向けられている。その理由は強さだけでなく、どんな人に対