ショスタコーヴィチ(1906-1975) ドミートリィ・ドミートリエヴィチ・ショスタコーヴィチ。 20世紀の交響曲作家で、最大の巨人と云って、ぜったいに間ちがいない。 ポストマーラーかどうかは知らない。いやおそらく、マーラーに影響を受けつつも(その打楽器と、なにより金管の偏愛多用、合唱独唱の大胆な導入、形式においては多楽章性、内容においては諧謔性、歌謡性)その音楽とは根本から異なるため、ポストマーラーというカテゴリよりかは、マーラーの生み出した偉大すぎる交響曲の大樹に匹敵する交響曲の樹をうち立てた偉人、とでもいうべきか。 それは、どうしても、どうしたって系統なのだ。交響曲とは、ほんらい、気軽に量産されるべき曲種であり(古典派の時代)、ロマン派以降は、1曲や2~3曲で大作を得ている人もいて、それはそれで良いのだが、交響曲とは、形式の美であり、心情の発露であり、全てが同時存在した究極の表現形態