第61回安田記念(5日、東京11R、GI、3歳上オープン国際、定量、芝1600メートル、1着本賞金1億円=出走18頭)勝利の瞬間、生産者の吉田勝己・ノーザンファーム代表(62)と、オーナーの手嶋龍一・キャロットファーム代表(61)は、ガッツポーズを作り、その後にがっちりと固い握手を交わした。「3歳が安田記念を勝つなんて本当に素晴らしい。すごいと思う」。 竹馬の友である二人の思いは同じ。自信作と胸を張って、09年のセレクトセールに出したリアルインパクトに一向に声がかからない。3000万円のまま主取り。納得のいかない二人のもとを通りかかった堀調教師への預託が決まり、キャロットクラブの募集馬になった経緯があったからだ。 さらにリアルは東日本大震災に直面した馬で最初のGIホースとなった。3月11日は宮城県山元町にある山元トレセンで調整中だった。14日に美浦トレセン近くの牧場に移動できたが、蹄が弱く