フランシス・フクヤマ(Fukuyama, Francis)/1952年、米イリノイ州出身。政治学者。ランド研究所や米国務省などを経てスタンフォード大学シニア・フェロー兼特別招聘教授。ベルリンの壁崩壊直前に発表された論文「歴史の終わり」で注目を浴びた(撮影/大野和基) 30年前、著書『歴史の終わり』で安定的な政治体制のあり方を論じた、政治学者のフランシス・フクヤマ氏。最新刊『リベラリズムへの不満』では、リベラリズムに批判的な声を分析している。フクヤマ氏が、世界に急激に広がる反リベラルについて語った。AERA 2023年5月29日号の記事を紹介する。 【この記事の写真をもっと見る】 * * * 近著『リベラリズムへの不満』を執筆した動機は、今あらゆる国で「寛容」が損なわれているのを目の当たりにしたことです。多くの国でリベラリズムが左派からも右派からも攻撃されています。その中で重要なトレンド