やってはいけないという認識がなかった−−。英科学誌ネイチャー誌に「STAP細胞」の作製成功を発表した小保方(おぼかた)晴子さん(30)らの論文で、改ざんとの認定にいたったDNA画像の切り張りについて、理化学研究所の調査委員会にそう答えていた。「学問の世界でやってはならない」という行為を疑問視していなかった姿勢に、理研幹部は「あるべきことでないことが起こった」と漏らした。 理研が14日、東京都内で開いた記者会見で明らかにした。会見には約200人の報道陣が詰めかけ、4時間に及んだ。 冒頭、野依(のより)良治理事長は「甚だ遺憾です」と述べ、約8秒間頭を下げた。 質問は、データに意図的な操作があったかどうかに集中した。理研幹部は「倫理に反する振る舞いがあった」と認めつつも、「引き続き調査する」と明言を避けた。STAP細胞の存在の有無についても「調査の対象範囲を超えている」「第三者の検証を待つ