ceroがさきごろリリースした新作Poly Life Multi Soulが各所で絶賛されている。その切り口のひとつとして、ポリリズムであるとかあるいは変拍子といったものが取り上げられることが多い。たとえば先行してMVが配信されていた「魚の骨 鳥の羽根」では三連の4/4拍子でも6/8(もしくは12/8)拍子でも解釈できるクロスリズムが全面的に取り入れられているし、他の曲でも奇数拍子であるとかメトリック・モジュレーションによる拍子の変化が多用されている。リズムに関していえば、すでに飽和状態に達してもはや基本的なボキャブラリーと化した、ネオ・ソウルあるいはJ Dilla以降とも言われる「ズレ」や「なまり」を取り入れたグルーヴではなく、いわば数学的に分析可能な、多層的なリズム構造をその骨組みとしたことによって、アフロ・ビートや中南米のラテン・ミュージックやブラジリアン・ミュージックへとより接近し