カシオ計算機で製品の物流管理を担当する三崎裕子さんは、2年前、「小1の壁」にぶつかっていた。 小1の壁――。ワーキングマザーは、子どもを保育園に預ける期間を過ぎると、放課後の預かり時間の短縮、平日によくある学校行事、夏休みなど長期休暇中はどこに子どもを預けるかといった問題に直面する。 小学校に上がると、宿題を教えるなど、学業のサポートも必要になる。そして何より、子どもが自己主張するようになるから、学童保育に行きたがらない、仕事を辞めてほしいと言い出すなんてことも起こりうる。子育てと仕事の両立の難所のひとつといわれるだけに、課題は山積みだ。 「息子が小学校に上がれば、何でもかんでも一人でやってくれてラクになると思っていました。でも、小学生の子どもはご飯を食べさせるといった物理的な世話だけではなく、保育園児以上に親の“精神的な支え”を必要とするのだと思い知りました」 そう気づいたのには、あるキ