本田技術研究所 四輪R&Dセンター LPL(ラージ・プロジェクト・リーダー) 椋本 陵(むくもと りょう)さん 話題の軽スポーツカー「S660」が間もなくデビュー。開発の裏にあるさまざまなエピソードを、若き開発責任者に聞いた。 みんな軽のスポーツカーが作りたかった ――S660の開発は、本田技術研究所の50周年を記念した新商品提案コンペで、椋本さんの応募案が優勝したことがきっかけになったそうですね。コンペには、ほかにどんな案が出ていたのですか? 椋本 陵氏(以下、椋本):応募が全部で800件、そのうちの400件が四輪の商品だったんですけど、実は1位から3位までは、全部軽のスポーツカーだったんですよ(笑)。 応募案は、まず実行委員の書類審査で10案に、研究所(本田技術研究所)の所員の人気投票で3案に絞り込まれて、最後にプレゼンによる役員審査で1位が決まる形になっていたんですけど……要するに、