ハリウッドの大スターであるトム・ハンクスが、英「フィナンシャル・タイムズ」紙の記者とロンドンでランチ。どうしても「いい人」役のイメージがついてまわるハンクスは、それに不満を覚えているようだが、それでもやっぱり「いい人」のようで──。 私はトム・ハンクスに、彼がいまここにいる理由を訊ねる。アカデミー賞を2度受賞し、評判通り魅力的で、やたらと饒舌なこの俳優をけなすわけではないのだが、彼がPRする必要性などない。 「昼食をごちそうしてもらいたくてね」というジョークのあとで、「エンタメの企業複合体」の要請だと彼は認めた。 「僕がこなしてきた80億回のインタビュー、そして出演・製作した数々の映画があるにもかかわらず、『へえ、今度は何をするんだろう?』って思うお客さんたちはいて、まだ好奇心を持ってくれているようなんです」と、ハンクスは楽観の姿勢を崩さない。 19世紀末パリのブラッセリーを思わせるレスト