吉野家ホールディングス(東証1部)は6日、2010年2月期の連結業績予想を下方修正し、純損失が従来予想の13億円から89億円に悪化すると発表した。赤字額は90年に株式を店頭公開して以来、過去最大の見通し。牛丼の値下げ競争や、子会社の経営悪化に伴う特別損失が響いており、デフレ下の外食産業の厳しさを示している。 通期の純損益の赤字転落は、06年2月期以来4年ぶり。本業のもうけを示す営業損益も、従来予想の5億円の黒字から8億円の赤字に引き下げた。連結子会社でステーキレストランなどを展開する「どん」(大証2部)も同日、10年2月期の純損失の予想が18億円から28億円に拡大すると発表した。 経営責任を明確化するため、吉野家の安部修仁社長の報酬を3カ月間半額に減らすなど、役員ら9人の報酬減額も決めた。 牛丼の価格を巡っては、最大手の「すき家」を展開するゼンショーが昨年12月、並盛り価格を280円