全国に51か所ある「都道府県がん診療連携拠点病院」のひとつ、神奈川県立がんセンターで行われたある手術の模様を録音したテープの提供を本誌は受けた。一般人が知ることのない“白い巨塔”の深奥部は、実は一般社会よりずっと俗な恐ろしい世界だった。 手術が行なわれたのは2009年後半。全身麻酔を受けて手術に臨んだのは、運動器系(骨や関節など)に腫瘍が見つかった入院患者だった。手術室には執刀医を務める骨軟部腫瘍外科医長のA医師と助手を務める部下のB医師、2人の上司にあたる同科部長のC医師、そして数名の看護師と麻酔科医が詰め、「別の科の医師も何名か出入りしていた」(テープを提供した同センター関係者)という。 以下は、録音内容の一部である。全身麻酔機が発する「ピー、ピー」という電子音が鳴る中、A医師がB医師に怒声を発する。 A「やめてくれるかッ!!」 B「(メスが)皮膚に当たりそうなので……」 A「当たりそ