「意志あるところに道あり」。NECの遠藤信博代表取締役・執行役員社長は2010年9月29日、筆者のインタビューに対して、業績不振に陥った問題を解決し、クラウド事業の強化と新規事業の立ち上げ、グローバル化の推進によってNECを再び成長路線に乗せる強い決意を語った。 遠藤社長は、赤字転落(2008年度に3000億円弱の当期純損失)した大きな原因について、「一言では言えないが、“技術のNEC”なのに技術をビジネスにできなかったことに一番の問題がある」と話す。開発した技術がマーケットに貢献していないのだ。顧客の求めているものと、NECが提供するものにギャップが生まれたので、「NECの全リソースを使ってもビジネスにならない。時代に合わなくなってきた」(遠藤社長)。 短期的に利益を捻出するため、縮小均衡に陥っていた だが、その解決策をなかなか探し出せなかったNECは10年近く、売上高が5兆円前後で推移