ぽっちゃりというにはブーすぎた。出張先の安キャバクラで僕についたギャルのことだ。自らぽっちゃりとかファッションモンスターなどと詐称したうえ「女の子にも飲み物いいれすかぁ」と親しげに言い放つものだから「あ、別にいいでしょ」とやんわり断った…つもりだったのに「お願いしま〜す」、勝手にドリンクを注文してしまう。その不愉快な一連の流れのあとで、僕は、なぜこの生物がここまで増長しているのかについて沈思、ひとつの考えに至った。 それはナンバーワンもブーも指名料が同じだからではないか。物の値が需要と供給で決められるのなら、なぜ皆が群がるナンバーワンとブーが同じ指名料四千円なのか。どれだけ努力しようと、あれだけ怠けようと指名料が同じならば怠ける輩がザクザク量産されてもおかしくないではないか。競争がなければ進歩しないではないか。だから社会主義国家は滅びた。僕は、レーニンの像が撤去されたり、ベルリンの壁が崩れ