橋下市長が、アジアへの侵略や日本の植民地被害を認めないことは今にわかったことではないが、彼の主張は世界には通じない。日本軍「慰安婦」制度は、被害者の勇気ある告発で国連の舞台で議論され、日本軍「性奴隷」制度と認められた。国連が日本軍性奴隷問題を取り上げたのは、世界各地で今現在も起きている紛争の中で、女性や子どもなど立場の弱い人たちが犠牲になっているという、今日的な問題に解決の道筋をつけるためだった。 国連は日本政府に何度も勧告を出し、被害者の原状回復のために国家による謝罪と補償、真相究明や教育の実施を求めたが、日本政府がこれを受け止め、自国の歴史認識の構築に役立てたことはない。まずこのことが橋下市長のような政治家を量産している根本的な原因だと思う。 米議会で2007年7月に「慰安婦」決議案が採択されたのも、日本政府が被害国や国連の勧告を無視し続けていたことが原因だった。日系のマイケル・ホンダ