今回の連載では、「学習情報センター」として学校図書館が活用されている現場を紹介してきた。 学校図書館はどの学校にもあるのに、先進校と活用が進まない学校との差は大きい。高鷲忠美・八洲(やしま)学園大学教授に課題を聞いた。 ――なぜ学校図書館の活用が注目されているのか。 「新学習指導要領では『読む、聞く、話す』言語活動に重点が置かれている。あるテーマについて、適切な資料を自分の力で選び、読み込んで比較し、自分の意見を入れて発表するという繰り返し。これがすべての教科で必要な学力の基本を作る。図書館はこうした基盤を作る場所だ」 「図書館は、歴史や自然科学、産業などあらゆる分野への扉を持つ学びの宝庫だ。自分の力で探究することで、意欲は高まる。変化の激しい時代だからこそ、知識を覚えて再現できる『秀才』ではなく、自ら学び続け、答えのない課題に挑戦できる人材を育てなければいけない」 ――図書館は教育に活用