無駄遣いの削減は鳩山政権の生命線といえる課題だが、鳩山由紀夫首相はじめ政府の責任者がどれだけ本気で無駄減らしを考えているのか、疑いたくなる事例が相次いでいる。 首相が昨年10月末に公邸に入居した際の改修費が高額すぎるとの批判が表面化したほか、総務省の顧問に与党の落選議員らが起用され、報酬を得ていたことの是非が問われているからだ。 「隗(かい)より始めよ」という言葉がある。まず言い出した者が率先して物事に着手すべきであるとの意味だが、こうした税金の使い方では「看板倒れ」の批判を受けてもやむを得ない。 実際、無駄遣いをなくすことも遅々として進んでいない。昨年の事業仕分けで手を付けたのは、対象となった3千事業のうち400余りにすぎず、金額的には目標の3兆円に対し、7千億円弱しか確保できなかった。 不要不急の事業を根絶することで約9兆円を生み出す、と言っていた衆院選のころの意気込みはどこへいったの