世界のポピュラー音楽の本質を、音楽を生んだ社会の構造や歴史からえぐり出し、音盤制作も行った中村とうようさん(享年79)が亡くなって二カ月余り。突然の死を悼むお別れ会が東京都内でいくつかもたれた。故人創刊の「ミュージック・マガジン」は十月号で追悼特集を載せ、増刊号で未発表原稿を含むアンソロジーを刊行した。 (中村信也) 最大規模のお別れ会は九月二十八日に開かれ、付き合いの深かった約二百三十人が参列。元ニッポン放送社長の亀渕昭信さんが「とてもつらい会。でも、とうようさんの頑固一徹を知る人だけの会ですから、にぎやかに」と司会の弁を述べ、全員で遺影に黙とうした。