「何で日本はこんなに駄目なのか」あるいは「こんなに駄目になったのか」。今、IT関係者だけでなく日本人の多くがそう感じていることだろう。もちろん私もそう思う。誰もがイケイケで完全に思い上がっていた1980年代後半のバブル期が良い時代だったかはともかく、バブルの壮絶な破裂を経て、あれから日本経済はずっと下り坂だ。少子高齢化と相まって、それこそお先真っ暗の感がある。 日本にとって間の悪いことにその下り坂は、1995年を起点とするインターネットの爆発的普及により世界で始まったデジタル革命と重なってしまった。これにて日本が得意とした製造業、ものづくりの時代が終焉(しゅうえん)に向かい、IT/デジタルによるコト(サービス)の時代が始まった。経営者や政治家は事の重大さに長い間全く気づかず、今ごろになって「やばい。DX(デジタルトランスフォーメーション)だ」と騒いでいる始末で、日本は完全にデジタル革命に乗