決算発表に臨んだトヨタ自動車の豊田章男社長は終始、厳しい表情を崩さなかった。同社の売上高は前年比2.8%減の27兆5,971億円、営業利益は30.1%の減の1兆9,943億円と減収減益だった。売上高と営業利益が前年度を下回るのは、東日本大震災翌年の2012年3月期以来のことである。 30%もの減益と聞くと、同社の業績が急激に悪化したかような印象だが、必ずしもそうとは言い切れない。2016年度の販売台数は897万台と前年(868万台)をわずかに上回ったが、2013年度は911万台も売っていた。好業績を維持してきたように見える同社も、水面下では販売台数の落ち込みが始まっていたことが分かる。今回の大幅減益はこうした状況が、数字になって表れてきたと考えたほうが自然だろう。 日産の売上高は11兆7,200億円とこちらも前年比3.9%のマイナスとなった。トヨタほどではないものの、営業利益も落ち込んでお
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